傷を早く治す方法をご紹介しますね。
じつは、傷は消毒液を使うと、治りが遅くなるのです。
傷ができると、ジュクジュクとした体液が、傷口から浸み出してきますよね。
この体液に細胞の成長をうながし、皮膚を修復するための、さまざまな成分がふくまれているのです。
この液で傷口をおおい、乾燥させないよう密閉状態を保つことで、傷跡が残りにくくきれいに治るのです。
また、細菌の感染が抑えられる、乾燥による神経への刺激が少なくなるため痛みが少ない、などのメリットがあるのです。
必要なもの
●水道水
傷口を洗い流すのに使います。
消毒薬は使いません。
殺菌してしまうと、欠損した組織を再生しようと頑張っている細胞を、殺してしまうからです。
●食品包装用ラップ
ポリエチレン製の、柔らかいものがいいです。
●白色ワセリン
ヒリヒリと痛む場合、薄く塗布することで空気から保護することができ、痛みがやわらぎます。
消毒薬配合の、軟膏や粉末剤は使わないでください!
●医療用粘着テープ(なければ絆創膏)
ラップを固定するのに使います。
●ガーゼ、包帯
【手 順】
1.傷の形状をチェックします。
深い場合や出血がひどいようなら、医師の診察を受けてください。
2.水道水で傷口をよく洗う。消毒は厳禁!
3.傷口に薄く白色ワセリンを塗り、傷より少し大きめに切ったラップを上からあてる。
ラップだけでもかまいませんが、ワセリンを塗ってからのほうが、痛みがすぐになくなりますよ。
4.ラップの周囲を、テープで固定する。
完全に覆うより、どこかに隙間を残しておいたほうが、余分な液が外へ流れ出るため、かぶれなどの肌トラブルを防げます。
5.ラップの上からガーゼを当てて、包帯でとめる。
漏れ出た液を吸収させるためですので、傷口には直接当てないでください。
2~5を一日1回、夏場などの汗をかく季節は、2回程度繰り返します。
上皮化・・「ピンクでつるつるピカピカの赤ちゃんみたいな皮膚」の状態になり、液が出なくなれば終了!
ラップは要らなくなります。
上皮化してすぐの皮膚は、シミになりやすいです。
一ヶ月は、紫外線をあてないよう注意してくださいね!
傷の周辺部が赤く腫れる、痛みが強くなる、臭いがきつくなるなど、感染をおこした状況が考えられる場合は、すみやかに治療を中止して、医師の診察を受けてください。